今回の「ブラタモリ」は、2011年に世界文化遺産に登録された岩手県平泉町の旅を紹介します♪
世界文化遺産・中尊寺金色堂でもおなじみ、奥州藤原氏がつくった“黄金の都”です。
平泉(ひらいずみ)は、岩手県南西部にある古くからの地名で、現在の平泉町の中心部にあたります。
まずタモリさんが向かったのは、平泉のシンボルとして名高い中尊寺の金色堂へ!
◆中尊寺
中尊寺は、初代・藤原 清衡(ふじわら の きよひら)が平和な世界を願い、天治元年(1124年)に建立しました。
現在の本堂は明治42年に再建されたもので、本尊の釈迦如来坐像は一丈六尺の大きな仏様で丈六仏と言います。
建物一面に金箔を重ねた、豪華絢爛な金色堂です。
中尊寺金色堂 新覆堂夜光貝の螺鈿(らでん)細工や漆の蒔絵、透かし彫りなど、当時の工芸技術の粋が結集されています。
金色堂は、中尊寺創建当初の姿を今に伝える唯一の建造物です。
2011年(平成23年)にユネスコの世界遺産リストに登録され、日本の世界遺産では12番目に登録された文化遺産で、東北地方では初の世界文化遺産となりました。
- 中尊寺
岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
http://www.chusonji.or.jp/
◆藤原 清衡
藤原清衡(ふじわら の きよひら)は、平安末期の陸奥(むつ)の豪族で、後三年の役で源義家に味方し、清原 家衡(きよはら の いえひら)らを討ちました。
清衡は、積極的な領国経営に乗り出し、陸奥六郡と出羽の管領権を握った奥州藤原氏の基を築いた武将です。
資産と権力を手に入れた清衡は、1126年(大治元年)、中尊寺に1500人もの僧侶を集め、大規模な法会を営みました。
◆平安時代に絢爛豪華な文化
時代は下って「奥州の黄金」を力の源泉とした藤原3代の平泉文化が開花します。
中尊寺金色堂は、平安時代後期に岩手県に建てられたた目がくらむほどの光を放つ堂塔です。
藤原氏の政庁・柳之御所発掘調査で出土したものには、中国から輸入された陶磁器などがあり、当時、平泉が大量の金を元手に中国との交易が頻繁であったことが 目につきます。
「奥州・平泉の黄金」の話を交易商人たちが中国に伝え、時間の経過とともに世界に知れ渡ったと想像できます。
藤原氏滅亡(1189年)の約100年後、1270年にイタリア人の旅行家「マルコ・ポーロ」が東方旅行に出ることで、中国の王朝から「平泉の黄金」の話を耳にします。
マルコ・ポーロの著書「東方見聞録」には以下のように記されている。
「カタイ(中国)の東方海上に黄金に満ちたる島あり。宮殿は黄金の瓦にて葺かれ、壁は黄金に覆はる。床および道は厚き金の延べ板により舗装す。その名は、ジパングと云えり」。
これが、黄金の国「ジパング」の起源とも言われています。
マルコ・ポーロの「ジパング=黄金の国」への憧れは、200年後の1492年に始まる「コロンブス」の世界大航海探検時代へと繋がっていきます。
奥の細道の作者である松尾芭蕉も訪れたほど。
1951年には国宝第一号となっていて、内外に金箔の押された「皆金色」と称される金色堂の内陣部分は、はるか南洋の海からシルクロードを渡ってもたらされた夜光貝を用いた螺鈿細工になっています。
◆北上山地
続いて向かったのは、平泉の東に広がる北上山地(きたかみさんち)へ!
北上山地は、隆起準平原という平坦な地形が隆起後に侵食されたもので、比較的なだらかな山地です。
またの名を北上高地(きたかみこうち)とも言います。
北上山地の最高峰・早池峰山は標高1914m、日本百名山として知られ、かんらん岩や蛇紋岩という特異な地質や岩石です。
タモリさんが大好きな地形と地質が関わっていることで、3億年前の地層で化石の発掘!?
◆猊鼻渓
猊鼻渓(げいびけい)は、岩手県の母なる河、北上川支流の砂鉄川沿いに、高さ50mを超える石灰岩の岸壁が、およそ2kmにわたって続く渓谷です。
名勝・猊鼻渓(げいびけい)で砂金採りに挑戦!
大正14年10月8日、国の史蹟名勝天然記念物に、名勝指定県内第一号に指定され、日本百景の一つです。
2016年11月21日より冬用屋形舟での運航開始となりました。 寒くなく舟下りをしながら水彩画のような絶景を楽しめます。
- 猊鼻渓
岩手県一関市東山町長坂町467
http://www.geibikei.co.jp/
さらに平安時代のままの姿を残す庭園がある毛越寺(もうつうじ)へ。
◆毛越寺
毛越寺は、岩手県西磐井郡平泉町にある天台宗の寺院です。
毛越寺は(もうつうじ)慈覚大師円仁が開山し、藤原氏二代基衡(もとひら)から三代秀衡(ひでひら)の時代に多くの伽藍が造営されました。
現在の本尊は薬師如来、脇侍は日光菩薩・月光菩薩です。
◆浄土庭園(毛越寺庭園)
浄土庭園とは、仏堂と苑池とが一体として配された庭園で、毛越寺では北に塔山と呼ばれる小山を背景として、広々とした苑地美観が展開しています。
大泉が池は浄水をたたえており、浪返しにあたる立石、枯山水風の築山といった石組みや、池に水を引き入れる遣水など、自然の景観が表されています。
日本最古の作庭書「作庭記」の思想や技法を今に伝える貴重な庭園として、800有余年を経た現在も、四囲の樹木の景観と相まって、なお変わらぬ美しさを見せています。
境内は「毛越寺境内 附 鎮守社跡」として国の特別史跡、庭園は「毛越寺庭園」として特別名勝に指定されています。
パワースポットとしても有名です。
- 毛越寺
岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58
http://www.motsuji.or.jp/