東京都大田区には観光名所になるお寺や神社、庭園が色々あります。
その中でも「池上梅園(いけがみばいえん)」は梅の名所として有名です。
せっかく池上梅園を訪れるのなら、梅園の誕生、茶室・清月庵と聴雨庵の物語、水琴窟の謎、梅の種類などを知ってから来園されると池上梅園が3倍楽めます!
“旅すきsite”の『池上梅園を3倍楽しくする方法』の第1回は、“池上梅園の誕生とおすすめ梅”を紹介します♪
関連情報:清月庵~池上梅園を3倍楽しくする方法~
池上梅園のあらまし
東京都大田区池上にある「池上梅園」は、池上本門寺から西へ約370mの場所にあり、なだらかな丘の斜面の地形を十分に生かした庭園です。
庭園の中心は、庭園名の通り色々な品種の梅が有名です。
30種類あまりの色々な梅が見頃を迎え、見晴台からの眺めは絶景です!
梅園では、毎年1月上旬に黄色い花を咲かせる蝋梅(ろうばい)が咲き始め、超稀少品種の座論梅(ざろんばい)は、2月初旬から見頃を迎えます!
2月の満開を迎える梅達が終わりかけた3月上旬に梅園を華やかにする八重揚羽(やえあげは)が満開を迎えます。
池上梅園では、立春を迎え春の兆しが初めて現れるこの時期に可愛い梅の見頃を迎えます。
春一番が梅の爽やかな香りを運び、暖かい日差しを浴びて蕾(つぼみ)が徐々にほころびます。
まさに梅の生命力と視覚と嗅覚で癒されるパワースポットです。
旅すきsiteでは、池上梅園の誕生、庭園内の梅マップと梅の説明、和室・茶室の由来、水琴窟(すいきんくつ)などを詳しく紹介したいと思います。
◆池上梅園の誕生
池上梅園はもともと東京都や大田区が所有している土地ではなく、個人の所有地でした。
池上梅園の北半分を戦前は、日本画家の伊東深水が所有し、自宅兼画室としていました。
昭和20年に戦況が悪化し、長野県小緒に疎開していましたが、その2ヶ月後に空襲で自宅が焼失してしまいました。
伊東氏は築地で料亭を営んでいた小倉誠氏に土地を譲り、昭和24年に鎌倉に画室を新設し、移住したそうです。
戦後になると、南半分を小倉氏が別邸として拡張し、その後、小倉氏が亡くなり、ご遺族より庭園として残すことを条件に東京都に譲渡され、昭和53年に大田区に移管されました。
大田区の区花が「梅(ウメ)」だったこともあり、濃い桃色の花が咲く「紅梅(こうばい)」を中心に植林・拡張が開始されました。
紅梅のほかに、超稀少品種の「座論梅(ざろんばい)」や同じ木に紅白の花を咲分ける品種の「思いのまま」を含め、現在30種類370本(白梅150本・紅梅220本)になりました。
●伊藤深水
伊東深水
いとう しんすい
本名:伊東 一
生誕:1898年2月4日
死没:1972年5月8日(74歳没)
代表作:美人画
実娘:女優・朝丘雪路
日本画家の重鎮である伊東深水は、歌川派浮世絵の正統を継いでおり、日本画独特のやわらかな表現による女性の華麗さを生涯描き続けました。
伊東氏は、現在の品川区南大井と大田区池上に合計26年間住んでいました。
伊東氏が池上に画室を新設してから生まれた「秋晴れ」は、昭和4年に大井から池上へ通った風景を描き女性モデルは、初代・水谷八重子さんでした。
◆池上梅園お勧め梅
ここでは、旅site独自の梅園マップと池上梅園を訪れたら必ず見てほしい『おすすめ梅』を紹介します!
●藤牡丹枝垂(ふじぼたんしだれ)
「梅の三牡丹」の一つとして知られる藤牡丹枝垂は、代表的な枝垂(しだれ)です。
藤牡丹枝垂は、赤梅よりも花びらが大きいので、満開時はとても華やかです。
撮影は2月下旬だったので、淡い紅色の花がぽつぽつ咲いていましたが、まだまだ蕾が多かったです。
開花の時期:2月下旬から3月初旬
●玉光枝垂(ぎょくこうしだれ)
藤牡丹枝垂よりも開花の時期が早い「玉光枝垂(ぎょくこうしだれ)」が満開で美しい紅色でした。
藤牡丹枝垂はまだ蕾ですが、花弁が紅色で枝が枝垂れた玉光枝垂は蕾と花弁のバランスが良く、2月のお勧め撮影スポットです♪
玉光枝垂は、薬医門の近くにあり、茶屋で甘酒を飲みながら枝垂れ紅梅を見るのも風流です。
開花時期:2月初旬から3月初旬
●緑萼枝垂(りょくがくしだれ)
白梅の主要品種で、名前の通り軸も萼(がく)も薄緑色です。
撮影は2月下旬のため、緑萼枝垂は蕾も小さく、満開は3月初旬から中旬のようです。
開花時には花弁が良く開き、雄しべが長いので完全に花弁が開くと黄色みを帯びて見えます。
開花時期:2月下旬から3月中旬
●玉垣枝垂(たまがきしだれ)
撮影は2月下旬のため、開花の時期が緑萼枝垂よりも早い「玉垣枝垂(たまがきしだれ)」が見事に満開でした!
緑萼枝垂と同じ白梅で枝が枝垂れしている玉垣枝垂は2月の撮影スポットでした。
玉垣枝垂はメイン通りにあり、撮影スポットです!
開花時期:2月初旬から3月初旬
●座論梅(紅)(ざろんばい)
座論梅は、なかなか見ることができない超稀少品種です!
一般的な座論梅は白色または淡紅色ですが、池上梅園の座論梅は鮮やかな紅色です。
撮影は2月下旬で6分咲きでしたが、ふっくらした蕾と咲き誇った花弁の両方が観賞できて見ごたえがありました!
座論梅は、開花の息が他の梅より長いと言われていますが、この時期は春に向けて強い風や雨が降るので、一番の見ごろは2月下旬が良いと思います!
開花時期:2月初旬から3月初旬
●思いのまま (おもいのまま)
池上梅園の代表品種で、とても珍しい梅です。
一つの梅の木で、花色が白色・ピンク色・しぼりの3種類の花が咲きます。
絞り(しぼり)とは、花びらに絞り模様が入ったものを言います。
撮影は2月下旬のため、まだ蕾が多かったです。
開花時期:2月下旬から3月下旬
●八重揚羽(やえあげは)
八重揚羽の枝は立枝で、花の大きさが3cm~4cmと大きく見ごたえがあります。
花色は淡紅色なので他の梅が終わりかけている中、梅園を華やかにし心が豊かにしてくれます。
撮影は2月下旬のため、まだまだ蕾(つぼみ)でしたが、萼(がく)が赤紫色で花弁の淡紅色を想像させる真ん丸で今にも咲き始めそうな蕾は愛おしさを感じるほど可愛いです。
開花時期:3月初句から下旬
住所:東京都大田区池上2-2-13
開園時間:9時~16時30分
池上梅園事務所
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/hall/baien/index.html
今回のお勧め梅だけでなく、池上梅園の可愛い蕾(つぼみ)や満開の梅を紹介します!
関連情報:[池上梅園]3倍楽しくする方法~清月庵~