大田区立郷土博物館に「今月の巴水」として馬込文士村の日本画・川瀬巴水の自筆作品が展示されていると知り、行ってきました!
今回の“旅すきsite”は「大田区立郷土博物館」を紹介します!
大田区立郷土博物館
大田区立郷土博物館は区内から発掘された遺跡や文士村で活躍した文士たちの自筆原稿、明治時代から使われた道具や大田名物(海苔・麦わら細工)など実物を目の前で見たり、聞いたりできる博物館です。
特別展と体験教室
郷土博物館では、特別展「作品の中の大田区」として文士がどのような感性で大田区を描いたのかなどを探ったり、学芸員の方が解説してくれるミュージアムトーク、大人の体験学習会や子供にも嬉しい「夏休み体験教室」など、大田区の文化に触れる行事が満載です!
東京都大田区南馬込5-11-13
大田区立郷土博物館
入場 無料
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/manabu/hakubutsukan/
古代を探る遺跡
常設展示されている大田区内の遺跡は、時代順になっていて、パネルで発掘された時の情報や当時の暮らしなどが詳しく紹介されていました。
遺跡や遺品に興味がある方なら何時間でも見ながら古代人の生活に触れることができる展示場でした!
郷土博物館で作成された「遺跡の散歩道」はコースが5通りあるので、次回、コースを巡ってみようと思い頂いてきました♪
馬込文士村
馬込・山王に居住した芸術家、文士たちの自作原稿や遺品、馬込の地で夢を語った仲間とも写真などのパネルが間近で見ることができます。
私が観賞したかった毎月巴水の作品を展示しているコーナーでは、「4月の巴水」が展示されており、巴水の作品の中でも鮮やかな桜のピンクが描かれており、大田区立郷土博物館所蔵の作品なので、本物が観賞できて感激しました!
海苔養殖
昭和38年まで大田区大森を中心に海苔養殖産業が栄えていました。
現在も旧東海道の三原通りや大森駅周辺には海苔問屋がたくさん店を構えています。
関連情報:江戸情緒が残る街~旧東海道と美原通り~
明治時代から使われていた海苔養殖で使用した道具が展示されています。
10年前までは、この大田区立郷土博物館のメイン展示されていましたが、現在は「大森 海苔のふるさと館」に移されています。
関連情報:海苔づくりの道具たち
麦わら細工
海苔養殖時期の冬から春にかけては、男性女性に関わらず、子供たちまで収穫時期には手伝いをするほどの産業でしたが、夏から秋は、仕事がないため、大森名物に「麦わら細工」の内職するようになったそうです。
大森土産は、海苔か麦わら細工と言われるくらい名物になり、江戸名所図会に残っています。
郷土博物館では夏休み体験教室で「大森麦わら張り細工教室」の開催や麦わらで作られた箱や麦わら細工の展示がされています。
お土産
今回のお土産は“おおた歴史探検”と大森名物と言われた海苔養殖にちなんで“海苔物語”、川瀬巴水の日本画のハガキセット、一目ぼれして購入を決めた高橋松亭のメモ帳です!
木彫家・佐藤朝山
天才彫刻家と言われる佐藤朝山(さとう ちょうざん)の宅邸とアトリエは、現在の大田区立郷土博物館の場所だったそうです。
18歳の時に山崎朝雲の門下に入り大正2年に独立時に“朝山”号を与えられますが、昭和15年頃に自ら破門を申し出て“朝山”を返上し、本名の清蔵に戻りました。
そして昭和23年から「阿吽洞玄々」を名乗っており、昭和38年(75歳)で逝去されました。
朝山から玄々になるまでは再興院展や帝国美術院に所属しており、旺盛な制作を行っていたそうです。
数々の名作を生み出し、圧倒的な力量を発揮しており、平櫛田中はじめ、横山大観も朝山氏を天才と評していたそうです。
佐藤玄々の作品は、東京の日本橋三越1階ホールに「天女(まごころ)の像」があります。
とても巨大な作品ですが、顔つき、指など細かい部分を目を凝らして観察すると玄々氏の仕事に対する厳しさが感じられる見事な作品です。
ちなみに、1960年に完成したこの像は、朝山作品ではなく佐藤玄々の作品だそうです。
佐藤朝山の庭園を通り、ほど近いところに文士の熊谷恒子記念館(旧熊谷恒子邸)があります。
関連情報:熊谷恒子~かなの美展「書家・恒子かく」~