12月18日の「遠くへ行きたい」は伊豆諸島の最南端・青ヶ島を旅します。
日本各地の離島を旅してきた田中要次さん。
今回は、青ヶ島の玄関口である“八丈島”から上陸するのが極めて困難だという“青ヶ島”を目指す旅です!
青ヶ島は、アメリカの環境保護NGO、One Green Planetが発表した「死ぬまでに見るべき世界の絶景13選」に日本で唯一選ばれました!
東京の竹芝桟橋からフェリーに乗って10時間で八丈島に到着です。
◆戻り鰹を狙え
太平洋に浮かぶ八丈島は漁業の島です。
「ひき縄釣り」と呼ばれる方法で漁をするそうです。
◆八丈島乳業(ゆーゆー牧場)
八丈島では明治以降、酪農が奨励され、かつては「酪農王国」と呼ばれるほど酪農が盛んな島でした。
しかし、安い牛乳が島の外から入ってくるようになってから一度は衰退しましたが、近年新しい形で島の酪農が復活したそうです。
「ゆーゆー牧場」ではジャージー牛達がのんびりと過ごせる自然放牧で育てていて、“酪農法 山地酪農”を取り入れジャージー牛を育てています。
山地酪農は、ストレスなくのびのび暮らすことで乳も美味しくなることから牛舎を使わないことが特徴の1つ。
この牛乳で作ったモッツァレラチーズが島の新名物になっています!
- 八丈島乳業
東京都八丈島八丈町大賀郷1536
http://www.hachijo-milk.co.jp/
◆末吉温泉 みはらしの湯
八丈島は活火山で天然温泉があちこちに湧いています。
八丈島でもっとも有名でもっとも景色のよい露天風呂「みはらしの湯」
太平洋の海岸線と小岩戸ケ鼻を一望でき絶景です。
- 末吉温泉 みはらしの湯
東京都八丈島八丈町末吉581−1
◆絶海の秘島 青ヶ島へ
いよいよ待望の青ヶ島へ向かいます!
一番近い八丈島からも50Km離れたまさに絶海の孤島。
◆定期連絡船「還住丸」
写真の船が「還住丸」です。
黒潮の真っ只中の島だけに、荒れたときの「乗りごごち」は船酔いを覚悟で乗船した方が良さそうです。
◆定期ヘリ便「愛らんどシャトル」
欠航多い還住丸を補佐する日本唯一の「定期ヘリ便 愛らんどシャトル」
霧が発生すると無力ですが、海が荒れたときの大きな味方“ヘリコミューター”
1日1便8席しかないですが、船より安定して運行されています。
◆青ヶ島唯一の港「三宝港」
青ヶ島唯一の港であり、島の生命線です。
かつて、第二の港として、「大千代港」という港の建設が進められましたが、崩落事故のため、現在は近づくことすらできなくなっています。
◆青ヶ島の気になる島の地形
青ヶ島は、伊豆諸島の有人島としては最南端に位置する島。来る者を寄せ付けない独特な地形から「鬼ヶ島」とも呼ばれています。
山道を歩くこと20分、島で一番高い展望台「大凸部(オオトンブ)」と呼ばれる丘から、一望することができます。
二重式カルデラを一望できる珍しい島でもあります。
◆二重式カルデラ
カルデラとは、地下のマグマが大量に流れ出した後、マグマがあった部分の空洞を埋めるために陥没した結果できる凹みのこと。
青ヶ島は約3000年前に大規模なマグマ水蒸気爆発が起こり、その後3000年をかけて今の状態になったそうです。
◆天然のキッチン(地熱窯)
島の地形の特徴は火山活動によってできたカルデラという窪地、青ヶ島はこれが二重になっていて外輪山の中に一回り小さい内輪山が形成されている世界的にも珍しい地形。
島の人は「ひんぎゃ」と呼んでいます。
現在も火山活動は続いており、崖面からは蒸気が出ていて、昔から島ではこの地熱を暮らしに利用してきたといいます。
◆青ヶ島の郷土料理
島の民宿「ビジネス宿 中里」で郷土料理 島寿司をいただきます。
畑で収穫したサトイモと明日葉を練り込んで作った「いもつき」や、飼っている鶏で作った「鳥鍋」など、島での暮らしは今でも大部分が自給自足です。
◆特産品
青ヶ島で製造された焼酎「青酎」。
青酎は、自然麹、さつまいも、水を同時に仕込む昔ながらの製法で造られています。
サツマイモから作った焼酎は度数が30度でありながら、まるでスイートポテトのような甘みのあるお酒です。
関連情報:「遠くへ行きたい」静岡県の駿河湾周辺の旅
次回は、風間トオルさんの錦市場や京名物を巡る京都の旅です。